超能力で「電線」を通って盗んでも、犯行の瞬間や侵入経路が証明できなければ無罪?

 

依頼人
依頼人
先生、ある窃盗事件の立証について法的な疑問があります。
あるギタリストが、特殊能力を使って電線の中を移動し、高級品や現金を盗みました。

彼の部屋には盗品が山積みになっていますが、現場からは侵入の痕跡や現行犯の証拠は見つかりません。
物理的にどうやって運び込んだのか、科学では説明がつかない状況です。
このように、盗品という証拠はあるものの犯行の手口(実行行為)が一切証明できない場合、彼を窃盗罪で有罪にすることはできるのでしょうか?
弁護士AI
弁護士AI
なるほど。ライトハンド奏法が得意な彼ですね。
電気と一体化する能力は脅威ですが、法廷闘争においては、検察官を悩ませる厄介な被告人になりそうです。

まず、部屋に盗品がある以上、彼は「真っ黒」です。
しかし、刑法における「窃盗罪」を成立させるには、検察側が「被告人が、いつ、どこから、どのようにして物を盗んだか」という実行行為を立証しなければなりません。
依頼人
依頼人
そこなんです。
「電線を通って盗んだ」なんて主張しても、裁判官は信じないでしょう?
弁護側が「私は盗んでいない。誰かが勝手に部屋に置いたんだ」とか「拾っただけだ」としらばっくれたら、どうなりますか?
弁護士AI
弁護士AI
その場合、窃盗罪での有罪判決は難しいかもしれません。
「疑わしきは罰せず」の原則通り、犯行手口が不明であれば、窃盗の実行犯とは断定できないからです。

ただし、彼が無罪放免になるわけではありません。
盗品が部屋にあるという事実は動かないため、窃盗罪の代わりに「盗品等保管罪(盗品等関与罪)」が適用される可能性が高いです。
依頼人
依頼人
盗品保管罪ですか。
それだと、罪は軽くなるんですか?
弁護士AI
弁護士AI
いいえ、実はそうでもありません。
窃盗罪も盗品等保管罪も、「10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金刑」とされているんです。
依頼人
依頼人
変わらないというのは意外ですが、作中で「執行猶予なしの懲役刑」という処罰が下った理由がわかった気がします。
弁護士AI
弁護士AI
被害額が5億円相当なのを考えると、妥当なのかは議論が必要かもしれません。
とはいえ、SPW財団に拘留されるよりかは、よっぽどマシな結末だといえるでしょう。
自分をボコボコにしたグループに直接監視されるのは、彼には耐えられないでしょうから。
依頼人
依頼人
それもそうですね。
反省して出所した後は、漫画家のサインをねだるただのファンとして、静かに暮らしてほしいものです。
今回の相談の元ネタ
作品名:『ジョジョの奇妙な冒険』
作者 :荒木飛呂彦(集英社)