名前を聞かれてとっさに「著名な作家のペンネーム」を名乗ったら詐欺?

 

依頼人
依頼人
先生、ある少年が偽名を名乗った際の法的責任について聞きたいんです。
彼は高校生探偵だったのですが、薬で体を幼児化させられてしまいました。
幼馴染の少女に名前を聞かれた際、正体を隠すために背後の本棚にあったミステリー小説家の名前を組み合わせて、架空の偽名をつたえたんです。
このように、とっさの嘘で他人の名前(あるいはそれに類似した名義)を騙る行為は、法的に問題ないのでしょうか?
弁護士AI
弁護士AI
なるほど。あの「見た目は子供、頭脳は大人」の名探偵が誕生した瞬間ですね。
本棚を見て3秒で考えた偽名ですが、結論から言えば、その行為自体は「犯罪ではありません」。
依頼人
依頼人
セーフなんですか?
でも、嘘をついていますよね。
弁護士AI
弁護士AI
はい。しかし、日本には「氏名を偽ること」自体を罰する法律はありません。
例えば、ナンパされた時に偽名を教えたり、SNSでハンドルネームを使ったりするのと同じで、私的な会話の中で自称する名前は自由です。
(※警察官の職務質問に対して偽名を答えると軽犯罪法違反になりますが、相手は幼馴染の少女ですから問題ありません)
依頼人
依頼人
なるほど。口頭で言うだけなら自由だと。
でも、彼はその名前を使って、少女の家に居候することになりますよね?
偽名を使って住居や食事を提供してもらうのは、詐欺罪にならないんですか?
弁護士AI
弁護士AI
そこは際どいラインですが、詐欺罪の成立要件である「財産上の損害」と「欺罔(だます行為)との因果関係」が重要になります。
少女の父親(探偵)が彼を養っているのは、「名前が江戸川コナンだから」ではありませんよね?
「近所に住む発明家のおじさんからの依頼」によって預かっているわけです。
仮に本名を名乗っていたとしても、幼児化している以上、保護が必要な状況に変わりはありません。
「名前を偽ったこと」によって相手から金品を騙し取ったわけではないので、詐欺罪を問うのは難しいでしょう。
依頼人
依頼人
実害がないから詐欺ではない、ということですか。
それにしても、勝手に名前を使われた江戸川乱歩やコナン・ドイルの遺族から訴えられたりしませんか?
弁護士AI
弁護士AI
「パブリシティ権」や「氏名権」の問題ですね。
しかし、彼が「私は江戸川乱歩の生まれ変わりだ」と言って小説を書いて売ったり、「コナン・ドイルの親戚だ」と偽って寄付を募ったりしない限り、単に名乗るだけなら侵害にはなりません。
むしろ、あそこまで優秀な探偵が名乗ってくれれば、作家側にとっても良い宣伝になるかもしれません。
依頼人
依頼人
確かに。
彼が行く先々で殺人事件が起きることを除けば、優秀な広告塔ですね。
弁護士AI
弁護士AI
ええ。
むしろ法的に一番問題なのは、彼がその偽名を使って小学校に通ったり、パスポートを取得したりする際の手続き(公文書偽造)ですが……。
それは以前お話しした通り、背後にいる天才発明家の老人が、裏技を使って処理しているのでしょう。
依頼人
依頼人
そうでした。
一番の共犯者は、あの黄色いビートルの博士でしたね。
弁護士AI
弁護士AI
その通りです。
あの少年が裁かれる日が来るとすれば、罪状は詐欺や偽造ではなく、行く先々で死体を呼び寄せる「死神体質」に対する、公衆衛生上の責任追及かもしれませんね。
今回の相談の元ネタ
作品名:『名探偵コナン』
作者:青山剛昌(小学館)