

ずんだもん
先生、マンガでよくある展開について聞きたいのだ。
主人公が泥酔して、怪しい「契約書」にサインしちゃうやつなのだ。
主人公が泥酔して、怪しい「契約書」にサインしちゃうやつなのだ。

四国めたん
翌朝起きて、高額な壺が届いたり、連帯保証人になってたりするパターンね。

ずんだもん
そうなのだ。
本人は全く記憶がないんだけど、判を押してたら諦めて払うしかないのだ?
「酔ってたからノーカン」は通用しないのだ?
本人は全く記憶がないんだけど、判を押してたら諦めて払うしかないのだ?
「酔ってたからノーカン」は通用しないのだ?

四国めたん
結論から言うと、その契約は「無効」にできる可能性が高いわ。
民法には「意思能力」というルールがあるの。
民法には「意思能力」というルールがあるの。

ずんだもん
意思能力?

四国めたん
そう。「自分の行為の結果を判断できる能力」のことよ。
泥酔して前後不覚の状態なら、意思能力がないとみなされるわ。
民法第3条の2で「意思能力がない状態での法律行為は無効」と決まっているの。
泥酔して前後不覚の状態なら、意思能力がないとみなされるわ。
民法第3条の2で「意思能力がない状態での法律行為は無効」と決まっているの。

ずんだもん
おお! 法律は酔っ払いに優しいのだ!
じゃあ、どんな契約もへっちゃらなのだ?
じゃあ、どんな契約もへっちゃらなのだ?

四国めたん
現実はそう甘くないわよ。
裁判になった場合、「その時に泥酔して判断能力がなかったこと」を証明するのはサインした側なの。
裁判になった場合、「その時に泥酔して判断能力がなかったこと」を証明するのはサインした側なの。

ずんだもん
証明……?

四国めたん
もし相手が、「ノリノリでサインしてましたよ」って動画でも撮ってたらどうする?
「記憶がない」のと「判断能力がない」のは別だから、外見上しっかりして見えたら、契約は有効になっちゃうのよ。
「記憶がない」のと「判断能力がない」のは別だから、外見上しっかりして見えたら、契約は有効になっちゃうのよ。

ずんだもん
ひえぇ……! 外堀を埋められたら逃げられないのだ。
じゃあ、「婚姻届」はどうなのだ?
酔った勢いで出しちゃったら、結婚したことになっちゃうのだ?
じゃあ、「婚姻届」はどうなのだ?
酔った勢いで出しちゃったら、結婚したことになっちゃうのだ?

四国めたん
それも理屈は同じね。
「婚姻する意思」がなかったと認められれば無効だけど、一度役所に受理されちゃったら大変よ。
戸籍を直すために、家庭裁判所で「婚姻無効確認」の手続きをしなきゃいけないわ。
「婚姻する意思」がなかったと認められれば無効だけど、一度役所に受理されちゃったら大変よ。
戸籍を直すために、家庭裁判所で「婚姻無効確認」の手続きをしなきゃいけないわ。

ずんだもん
泥沼なのだ……。
やっぱり、お酒の席でのサインは絶対NGなのだ。
やっぱり、お酒の席でのサインは絶対NGなのだ。

四国めたん
そうね。
まあ、マンガの場合は相手が「殺し屋」や「ヤクザの娘」だったりするから、法的に無効でも物理的に逃げられないことが多いけどね。
まあ、マンガの場合は相手が「殺し屋」や「ヤクザの娘」だったりするから、法的に無効でも物理的に逃げられないことが多いけどね。

ずんだもん
法廷で争う前に、東京湾に沈められそうなのだ……。
今回の相談の元ネタ
テーマ:泥酔時の契約
テーマ:泥酔時の契約