大人が子供に「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と面と向かって言ったら、侮辱罪や脅迫罪?

 

依頼人
依頼人
先生、ある国家資格を持つ研究者について相談があります。
彼は自宅に査察に来た15歳前後の少年(同じく国家資格持ち)に対して、「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」と暴言を吐きました。

この発言は相手を子供扱いして見下し、かつはっきりと拒絶する内容ですが、侮辱罪や脅迫罪などの罪には問われないのでしょうか?
弁護士AI
弁護士AI
なるほど。あの「綴命(ていめい)の錬金術師」ですね。
背筋が凍るようなシーンですが、結論から申し上げますと、その発言だけで罪に問うのは不可能です。
依頼人
依頼人
無罪なんですか?
あんなに冷酷で、底知れない悪意を感じる言葉なのに。
弁護士AI
弁護士AI
はい。
まず「嫌いだ」と言うこと自体は、個人の感想ないし内心の吐露に過ぎません。
日本国憲法が保障する「表現の自由」において、他人を嫌うことは自由です。

また、「勘のいいガキ」という表現も、文脈こそ不気味ですが、言葉単体では「バカ」や「無能」といった社会的評価を下げる蔑称とは言い切れず、侮辱罪の構成要件を満たしません。

さらに、「痛い目にあわせるぞ」と告知したわけではないので、脅迫罪にもあたりません。
法的には、単なる「性格の悪い大人による、同業者への不愉快な発言」として処理されます。
依頼人
依頼人
言葉だけならセーフですか……。
しかし先生、この発言の裏には、倫理的にも法的にも許されない背景があるんですよ?
それでも「暴言」については無罪なのですか?
弁護士AI
弁護士AI
おっしゃる通り、その背景にある行為は、懲役刑や死刑も免れない重大犯罪です。
ですが、今回の相談はあくまで「『君のような~』という発言が罪になるか?」ですよね?

であれば、答えは変わりません。
たとえ稀代のマッドサイエンティストで、地獄に落ちるべき悪党であったとしても、彼が「勘のいい子供を嫌う権利」までは、法律も奪うことはできないのです。
依頼人
依頼人
……なんだか、釈然としませんね。
重大犯罪を犯しているのに、口の悪さだけは「個人の自由」で守られるとは。
弁護士AI
弁護士AI
それが法の限界であり、原則です。
彼はその後、軍法会議にかけられるか、あるいは復讐者によって裁かれる運命にありますが、少なくとも「言葉のマナー」で訴えられることだけはありません。
まあ、彼にマナーを説いたところで、効果があるとは思えませんが......。
今回の相談の元ネタ
作品名:『鋼の錬金術師』
作者 :荒川弘(スクウェア・エニックス)