100年の眠りから覚めた吸血鬼は「しゃぶ葉」でシニア料金を適用できる?

 

依頼人
依頼人
先生、ある復活した吸血鬼について相談があります。
彼は100年もの間、海底の棺の中で眠っていたのですが、ひょんなことから復活を果たしました。
実年齢は120歳を超えています。

仮に彼が、現代日本の「しゃぶ葉」のような食べ放題店に行ったとしましょう。
多くの店舗では、60歳以上はシニア料金として割引が適用されますよね?
彼は120歳ですから、当然シニア料金の対象になるはずです。

しかし、彼の肉体は乗っ取った若者のものなので、見た目は20代です。
この場合、彼は店員に「私は120歳だ」と主張して、割引を受けることはできるのでしょうか?
弁護士AI
弁護士AI
なるほど。闇の帝王が、数百円の割引のためにレジで揉めている図ですね。
結論から申し上げますと、彼がシニア料金で食事をするのは不可能です。
彼は大人料金、しかもディナータイムの正規料金を払うことになるでしょう。
依頼人
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確かに、ランチタイムに赴くのは難しそうですね......。
それにしても、なぜですか?
年齢は嘘をついていませんよ? 実際に明治時代から生きています。
弁護士AI
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問題は証明です。
店舗の利用規約上、シニア割引を適用するには、年齢を証明できる公的な身分証明書、つまり免許証や保険証などの提示が必須です。
しかし、彼は100年間海にいました。
民法第30条に基づき、生死不明の状態が7年以上続いた場合、利害関係人の請求により失踪宣告がなされます。

つまり、彼は法的にはとっくに死亡しており、戸籍も住民票も抹消された「この世にいない人間」なのです。
身分証がない以上、店員のアルバイトは外見で判断するしかなく、どうあがいても大人料金です。
依頼人
依頼人
なるほど。法的には死者扱いだから、年齢証明が出せないと。
では、彼が棺桶から出てきた時の写真や、100年前の日記を見せてゴネたらどうなりますか?
弁護士AI
弁護士AI
店員を困らせるだけですね。
「お客様、当店は古文書での年齢確認は承っておりません」と言われて終わりです。

それに、もし彼が無理やりシニアであることを認めさせようとして、店員を威圧したりすれば、それは威力業務妨害罪です。
警察を呼ばれて、日の当たる場所に連行されたら、彼にとっては死活問題でしょう。
依頼人
依頼人
確かに。数百円の割引のために灰になっては元も子もありません。
それに、よく考えたら彼の体(首から下)は、肉体的には20代の若者なんですよね。
弁護士AI
弁護士AI
ええ。生物学的年齢で見ても、胃袋の消化能力は若者そのものですから、店側としてもシニア料金にする道理がありません。

むしろ店側としては、数百円の割引よりも「不審な制限時間の延長行為」に気を付けるべきでしょう。
もっとも、”入門”していない店員では気付くことすら不可能かもしれませんが......。
今回の相談の元ネタ
作品名:『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』
作者 :荒木飛呂彦(集英社)