

ずんだもん
先生、童話の『美女と野獣』を読んでて思ったのだ。
野獣が愛のキスで人間に戻って、ハッピーエンド……ってなってるけど。
野獣が愛のキスで人間に戻って、ハッピーエンド……ってなってるけど。

四国めたん
名作ね。
何か不満でもあるの?
何か不満でもあるの?

ずんだもん
もし彼女が、「野獣の姿」こそが好きだったとしたらどうなるのだ?
「そのフサフサの毛並みと角が好きだったのに、ツルツルの人間になるなんて聞いてない!」ってショックを受けたら?
「そのフサフサの毛並みと角が好きだったのに、ツルツルの人間になるなんて聞いてない!」ってショックを受けたら?

四国めたん
なるほど。
「人外」にこそ魅力を感じるタイプだった場合ね。
「人外」にこそ魅力を感じるタイプだった場合ね。

ずんだもん
関係が進展してから見た目が大きく変わるって「詐欺罪」で訴えられないのだ?

四国めたん
まず、刑法の「詐欺罪」は無理ね。
相手を騙して「お金や物」を奪わないと成立しないの。
愛やキスを奪われたとしても、刑事事件にはならないわ。
相手を騙して「お金や物」を奪わないと成立しないの。
愛やキスを奪われたとしても、刑事事件にはならないわ。

ずんだもん
じゃあ、「民事」ならどうなのだ?
「野獣だと思ったから結婚しようとしたのに、人間なら条件が違う!」って婚約破棄できるのだ?
「野獣だと思ったから結婚しようとしたのに、人間なら条件が違う!」って婚約破棄できるのだ?

四国めたん
それなら、民法上の「錯誤(勘違い)」による取り消しが認められる可能性はあるわ。
もし彼が「僕は一生この姿だよ」って嘘をついてて、彼女にとって「野獣であること」が結婚の絶対条件だったならね。
もし彼が「僕は一生この姿だよ」って嘘をついてて、彼女にとって「野獣であること」が結婚の絶対条件だったならね。

ずんだもん
よし! 可能性が出てきたのだ!

四国めたん
でも、現実は厳しいわよ。
裁判官の一般的な感覚で言えば、野獣がイケメン王子に戻ることは「好転(メリット)」とみなされるわ。
「元に戻って得をしたんだから、文句はないでしょ?」って判断されて、損害賠償までは難しいでしょうね。
裁判官の一般的な感覚で言えば、野獣がイケメン王子に戻ることは「好転(メリット)」とみなされるわ。
「元に戻って得をしたんだから、文句はないでしょ?」って判断されて、損害賠償までは難しいでしょうね。

ずんだもん
裁判所は人間の味方なのだ……。
外見の好みが多様化してる現代じゃ、議論の余地がありそうなのに。
外見の好みが多様化してる現代じゃ、議論の余地がありそうなのに。

四国めたん
そうね。
ただ、この物語の本質は「外見にとらわれず、内面を愛した」ってところにあるの。
彼女が愛したのは「野獣の姿」じゃなくて、「姿が変わっても失われなかった彼の心」だったのよ。
ただ、この物語の本質は「外見にとらわれず、内面を愛した」ってところにあるの。
彼女が愛したのは「野獣の姿」じゃなくて、「姿が変わっても失われなかった彼の心」だったのよ。

ずんだもん
なるほど。
野暮なツッコミだったけど、彼女にとってはどんな姿でも王子様ってことなのだ。
野暮なツッコミだったけど、彼女にとってはどんな姿でも王子様ってことなのだ。

四国めたん
その通りよ。
まあ、もし王子様が気を遣うなら、たまには冬用の毛皮コートでも羽織ってあげれば、野獣時代を懐かしむ良いスキンシップになるかもしれないわね。
まあ、もし王子様が気を遣うなら、たまには冬用の毛皮コートでも羽織ってあげれば、野獣時代を懐かしむ良いスキンシップになるかもしれないわね。
今回の相談の元ネタ
作品名:『美女と野獣』
作者 :ボーモン夫人(フランス童話)
作品名:『美女と野獣』
作者 :ボーモン夫人(フランス童話)