「異世界からの転生者」が現代日本でやりたい放題!法的に国民の利益を守ることはできる?

 

依頼人
依頼人
先生、最近流行りの「異世界転生モノ」って知ってますか?
現代人が中世風の世界に行って、現代の科学知識で無双するやつです。
ふと思ったんですが、これの逆パターンが現代日本で起きたらどうなるんでしょう?
弁護士AI
弁護士AI
逆、ですか。
依頼人
依頼人
ええ。例えば、空から降ってきた未来人や異世界人が、現代科学を数百年追い越したような「超技術(オーバーテクノロジー)」を持ち込んだとします。
「飲むだけで万病が治る薬」を100円で売ったり、「水だけで走る車」を無料で配ったり。

既存のメーカーや病院からすればたまったもんじゃないですが、特許も取らずに圧倒的な技術力で市場を破壊する行為は、独占禁止法や不当廉売などで止められないのでしょうか?
弁護士AI
弁護士AI
なるほど。いわゆる「逆・異世界転生チート」ですね。
物語の主人公なら爽快な展開ですが、やられる側の現代企業にとっては、黒船来航以上の経済テロです。

まず、独占禁止法(不当廉売)についてですが、これを適用するには正当な理由なく原価を割る価格で販売し、他社の事業活動を困難にさせる必要があります。
しかし、彼らの技術力が凄すぎて「原価10円で作れるものを100円で売っている」だけだとしたら、それは正当な競争であり、独禁法で止めるのは困難です。
依頼人
依頼人
やっぱりそうですか。
「技術革新」と言い張られたら、指をくわえて見ているしかないと?
弁護士AI
弁護士AI
ご安心ください。
日本の法律は、ある意味で魔王よりも強固な結界を持っています。
彼らの技術がどれほど優れていようと、行政の許認可という壁は越えられません。

まず、「万病が治る薬」ですが、これは医薬品医療機器等法(薬機法)の壁にぶち当たります。
どんなに効く薬でも、厚生労働省の承認を得ていない未承認薬を販売・授与することは犯罪です。
治験を行い、安全性を証明し、承認されるまでには通常10年以上かかります。転生直後に配ることは不可能です。
依頼人
依頼人
おお! 薬機法!
確かに、成分不明の薬なんて怖くて認可降りませんよね。
では、「水で走る車」はどうですか? あれは機械ですよね?
弁護士AI
弁護士AI
それも無理です。

公道を走るには道路運送車両法の保安基準を満たし、型式認定を受ける必要があります。
未知のエネルギー機関を搭載した車なんて、車検に通るわけがありません。

また、家電製品であれば電気用品安全法(PSEマーク)が必要です。
未来の技術だろうが魔法だろうが、JIS規格や安全基準に適合していない製品を、日本国内で正規に流通させることはできません。
依頼人
依頼人
なるほど!
「凄すぎて規格外」だからこそ、日本の規格に通らず販売できないと。
弁護士AI
弁護士AI
その通りです。

彼らが合法的にその技術を普及させるには、まず分厚い申請書類を書き、役所の窓口で審査を受け、数年がかりで安全性を証明する必要があります。
おそらく、タイムマシンや魔法を開発するよりも、日本のお役所仕事を攻略する方が、彼らにとっては難易度が高いでしょうね。
依頼人
依頼人
そうですね。
彼らが役所の窓口でたらい回しにされている姿を想像すると、無双するのも楽じゃないなと同情してしまいます。
今回の相談の元ネタ
作品ジャンル:異世界転生